連分数

連分数とは、その名の通り「連なった分数」のことである。
連分数の例. \[ 2 + \cfrac{1}{1+\cfrac{1}{2}} \] \[ 3 + \cfrac{1}{2+\cfrac{1}{3+\cfrac{1}{2}}} \] 今回の目的は、平方根を連分数展開することである。例えば $ \sqrt{2} $ は \[ \sqrt{2} = 1 + \cfrac{1}{2+\cfrac{1}{\lower{3pt}{ 2 \, + } \lower{15pt} {\ddots } }} \] のように無限につづく連分数に展開でき、有限で適当に切ったとき、連分数は有理数となるが、 この有理数は $ \sqrt{2} $ を近似する良い有理数となることが知られている。実際 \[ 1 + \cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2+\cfrac{1}{2}}} = \frac{17}{12}= 1.41666\cdots \] は $ \sqrt{2} $ をよく近似している。

連分数の記号

連分数は場所をとるから、いくつかの略記法が用いられることが多い。 ここでは、次の記法を採用する。 \[ [a_0,a_1,a_2,\cdots,a_n] = a_0 + \cfrac{1}{a_1+\cfrac{1}{\lower{3pt}{ a_2 \, + } \lower{15pt} {\ddots+ \cfrac{1}{a_n} } }} \]

例. \[ [a_0,a_1] = a_0 + \frac{1}{a_1} \] \[ [a_0,a_1,a_2] = a_0 + \cfrac{1}{a_1+\cfrac{1}{a_2}} \]

有理数の連分数展開

連分数展開の手法は単純である。次のステップを踏めば良い。

Step1.「整数部分」と「小数部分」に分ける。小数部分が 0 ならば終了.
Step2. 小数部分が0でなければ、 \[ \mbox{小数部分} = \frac{1}{\cfrac{1}{\mbox{小数部分}}} \] と変形する。そして分母に対して、Step1の手続きを行う。 つまり、 \begin{align} \mbox{小数部分} &= \frac{1}{\cfrac{1}{\mbox{小数部分}}} \\ &= \frac{1}{\text{整数部分}+\text{小数部分}} \end{align} とする。

例1. \begin{align} \frac{7}{3} &=\text{整数部分}+\text{小数部分} & ( \rm Step1) \\ &= 2 + \left( \frac{7}{3}-2 \right)\\ &= 2 + \frac{1}{3} \end{align}

例2. \begin{align} \frac{7}{5} &=\text{整数部分}+\text{小数部分} & (\rm Step1) \\ &= 1 + \left( \frac{7}{5}-1 \right)\\ &= 2 + \frac{2}{5} \\ &= 2 + \frac{\,\,\,1\,\,\,}{\cfrac{5}{2}} & (\rm Step2)\\ &= 2 + \frac{1}{\text{整数部分}+\text{小数部分} } & (\mbox{分母に対して} \rm Step1)\\ &= 2 + \frac{1}{2 + \cfrac{1}{2}} \end{align}

Note. 有理数の連分数展開は必ず有限で終了することが知られている。

平方根の連分数展開

方針は同じであるが、平方根の場合は、適当に分母を有理化することで、整数部分を計算することができる。

例1. $ \sqrt{2} $ の連分数展開。 \begin{align} \sqrt{2} &=\text{整数部分}+\text{小数部分} & ( \rm Step1) \\ &= 1 + \left( \sqrt{2}-1 \right) \\ &= 1 + \cfrac{1}{ \cfrac{1}{\sqrt{2}-1} } & (\rm Step2 )\\ &= 1 + \cfrac{1}{ \sqrt{2}+1 } & (\text{分母の分母を有理化した.})\\ &= 1 + \cfrac{1}{ 2 + (\sqrt{2}-1) } &(\text{Step1}) \\ &= 1 + \cfrac{1}{ 2 + \cfrac{1}{\cfrac{1}{\sqrt{2}-1}} } &(\text{Step2}) \end{align} 以下この操作はくりかえされるから、略記法を用いると \[ \sqrt{2} = [1,2,2,2,2,\cdots] \] が得られる。

例2. $ \sqrt{3} $ の連分数展開。 \begin{align} \sqrt{3} &=\text{整数部分}+\text{小数部分} & ( \rm Step1) \\ &= 1 + \left( \sqrt{3}-1 \right) \\ &= 1 + \cfrac{1}{ \cfrac{1}{\sqrt{3}-1} } & (\rm Step2 )\\ &= 1 + \cfrac{1}{ \cfrac{\sqrt{3}+1}{2} } & (\text{分母の分母を有理化した.})\\ &= 1 + \cfrac{1}{ 1 + \cfrac{\sqrt{3}-1}{2} } &(\text{Step1}) \\ &= 1 + \cfrac{1}{ 1 + \cfrac{1}{\cfrac{2}{\sqrt{3}-1}} } &(\text{Step2}) \\ &= 1 + \cfrac{1}{ 1 + \cfrac{1}{\sqrt{3}+1 } } & (\text{有理化.})\\ &= 1 + \cfrac{1}{ 1 + \cfrac{1}{2+ (\sqrt{3}-1) } } & (\text{Step1})\\ \end{align} 以下この操作はくりかえされるから、略記法を用いると \[ \sqrt{3} = [1,1,2,1,2,1,2,\cdots] \] が得られる。

高度な連分数展開

紹介するだけであるが、ネイピア数 $e$ は次のように規則的な連分数に展開できることが知られている。

\[ e = [2,1,2,1,1,4,1,1,6,1,1,8,1,1,10,1,\cdots ] \]