オイラーの公式

よく美しい等式としてあげられるのがオイラーの公式であるが、 美しいだけでなく、応用も広い。今回はオイラーの公式を紹介し、指数関数と三角関数の関係について調べる。

オイラーの公式

次が「オイラーの公式」と呼ばれるものである。 \[ e^{ix} = \cos(x)+i\sin(x) \qquad \qquad (1) \] 左辺は指数関数、右辺は三角関数である。これらが等しいというのがオイラーの公式の主張だ。 多くの場合、指数関数と三角関数は異なる関数として独立に学ぶ。 しかし、オイラーの公式によれば、指数関数は三角関数で表現できるということになる。そして逆もまた正しい。 実際、オイラーの公式(1)の $ x $ に $ -x $ を代入すると \[ e^{-ix} = \cos(x)-i\sin(x) \label{eq:eq2} \qquad \qquad (2) \] が得られるが、(1)+(2)とすれば \[ e^{ix}+e^{-ix} = 2\cos(x) \] が得られる。したがって、これを $ \cos(x) $ について解けば \[ \cos(x) = \frac{e^{ix}+e^{-ix}}{2} \] が得られる。つまり、 $ \cos(x) $ は指数関数の和で書けることにある。また、(1)-(2)を考えると同様の議論で \[ \sin(x) =\frac{e^{ix}-e^{-ix}}{2i} \] が得られる。つまり、三角関数 $ \cos(x) $ も $ \sin(x) $ も指数関数の和で書けることになる。

$ \,i^i\,\, $ の値は?

複素数の複素数乗というものは何だかよくわからないが、オイラーの公式を用いて形式的に求めてみよう。 まず、オイラーの公式(1)で $ \,x=\pi/2\, $ を代入すれば \[ e^{i\pi/2} = \cos\left(\frac{\pi}{2}\right) + i\sin\left(\frac{\pi}{2}\right) \] が得られる。右辺は $ \,i\, $ と等しいから \[ i = e^{i\pi/2} \] と表現できる。この両辺を $ i $ 乗すれば \[ i^i = e^{i \cdot i\pi/2} = e^{-\pi/2} \] が得られる。つまり \[ i^i = e^{-\pi/2} \] が得られたが、驚くべきことに右辺は実数である。

上の議論は正しいのか

正しいかどうかを判定するには、そもそも「複素数の複素数乗」を定義しなければならない。 定義もよくわからない\[i^i\]がどんな値になろうとなんともいいようがない。 しかし、厳密に定義するのは少し面倒であるので、機会を改めたい。 結論だけを言えば、結果は正しい。厳密にいうと、 $ i^i $ の値は一つに定まらず、複数の値を取り得る。 そして、その取り得る値の1つが $ e^{-\pi/2} $ となる。